2016年01月02日

今年の注目は日本マクドナルドの株価

あけましておめでとうございます。
随筆会計士です。

数年前から気にしてるのがマクドナルドの株価です。
いったいどうなってるんでしょうか。
なぜ下がらないのでしょうか。あやしいです。
いつ暴落するのでしょうか。


さて。
日本マクドナルドに関して、とんでもない分析をしてる記事がありました。
「マックの原価率は異常に高い。いや、どんどん高くなってきている。付加価値をつけられなくなっている。それどころかマイナスになった。原価より安く売ってる状態だ」というもの。

マックの売上原価にはアルバイトさんの人件費が入ってます。
だから、売上原価率の上昇ってのは、単に売り上げの減少によるものです。
マックが売れてないなんてことは、店の前を通り過ぎればわかること。
あるいは月次の売上情報の開示を見ればわかること。
それをわざわざ原価率なんか出して眺めるから、変な結論を導きだしちゃうんだよな。
その場合は、ちゃんと同業他社も分析して、いったい何が起きてるのか確かめてみろっていうんだよ。

原価に人件費やらなにやら固定費的なものが入ってるから、売上が下がっても原価が下がりにくい。それで原価率がどんどん上がっているようにみえるわけ。別に牛肉とパンのコストだけが入ってるわけじゃないんだよな。単純に店の規模に見合う売り上げが上がってないってわけだ。


まあ、とにかく苦しいことに変わりはない。
キャッシュも足りなくなってきただろう。

マックの株価、注目してます。
だっておかしいよ。今の株価は。


以上です。

posted by TT at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ツキを背負ったカモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新日本監査法人に厳しい処分。これからの監査制度はたぶんこうなる。

あけましておめでとうございます。
随筆会計士でございます。
久しぶりの更新。

昨年末、新日本監査法人にとても厳しい処分が下されました。

わたしも監査業界にいましたから、ずいぶんと興味を持ってニュースなどチェックしておりました。
おそらく業務停止命令は出ないだろうと思っていましたら、やはりそうでした。
業務停止命令が出ると、約10年前の中央青山監査法人のように、法人は解散となってしまっていたでしょう。
金融庁もそれは当然わかっていた。


なぜ、私は、「業務停止命令は出さないだろう」と思ったのか。

会計士業界でよく言われるのは、

日本最大の監査法人を解散させたら、クライアントが大変だ。混乱する。だから業務停止はないだろう。

って、理由です。
いわゆる Too Big To Failってやつですね。
大きすぎてつぶせない。


しかしながら、私の考えた理由は違います。

新日本監査法人を解散に追い込んでも、結局なにも変わらない。
会計士たちは他の監査法人に移籍するだけ。クライアントもおなじ。
だから、解散させても、意味がない。
それよりも、存続させたうえで、金融庁がグイグイと引き締める。
その方が、日本の会計監査の質は良くなる。

と金融庁は考えるだろう、と思ったからです。


さて。
いろいろと大企業の粉飾決算事件がありました。
東芝もオリンパスも、内部告発で明らかになりました。

この事実から分かることは、監査で不正は見抜けない、ってことです。

これは、会計士が口々に言うところであります。
また、監査制度そのものが、不正発見を目的としてない、ってこともあります。

しかしながら、一般投資家的には「不正発見が目的じゃないんだとしたら、監査っていったいなんなんだ?」ってことになってます。



これからの監査制度について。

アメリカにはSOX法というものがあります。
あのエンロン事件を受けてできた法律です。
これはとっても厳しい罰則を持ってます。

経営者による粉飾決算の場合、経営者は懲役20年又は罰金500万ドルってなってます。

これってすごい厳しいですよね。
懲役20年ですよ。まあ、最大でね。

日本にもSOX法みたいなものが出来ましたが、まったく骨抜きの罰則規定しかありません。


で、アメリカのSOX法の効果はだいぶあるらしく、制定以来、エンロン事件のような大型粉飾事件が起きてないらしいです。(あるいはバレテない)


このような厳しい罰則規定があると、経営者はどのようなことを考えるか。

まず、みずからが不正しようと思わなくなりますね。
次に、自分は不正しなくても、CFOとか他の経営幹部が不正するかもしれない、そしたら自分も一緒に懲役くらうかもしれない、って考えますね。これはCEOやCOOだけでなく、監査役とかも同じ。
だから、自分はやってないけど、経営陣のだれかがやってる可能性はあるから、外部の第三者にきっちりチェックしてもらいたい、という動機が生まれる。
ここで、監査法人の登場となる。

クライアントは、「しっかりと監査をしてもらいたい」、という動機を持つわけです。自分の身を守るわけです。
そのために、きちんと報酬を払う。


一方、日本のこれまでの監査環境では、監査報酬は口止め料的な意味を持ってしまっていた。
監査報酬が高いということは、「不正を見逃せよ」という意味を持っていた。
自分の身を守るために、「口止め」させる、という動機を持っていたわけです。


自分の身を守りたい、という動機は同じなんですが、やることがまったく逆なんですね。


厳しい法律を置くことで、経営者の意識が変わる。監査報酬の意味が変わる。監査法人に求められるものが変わる(不正を見抜く能力が求められる)。


というわけで、日本でも粉飾決算に対する罰則を厳しくするべきだと思います。


ただ、これが一朝一夕にはいかないんだ。

そもそもSOX法が、日本に来た時にJ−SOXとなって骨抜きにされたという事実がある。
おそらくは、経団連とかそういったところに負けたのでしょう。詳しく知りませんが。


まあ、政治とカネの話になっちゃうんでやめますけど、いまの監査で不正は見抜けない。
ってことです。
罰則を厳しくしないと、また粉飾決算事件は起きるし、それは内部告発でしか見つからない。と思います。とくに大企業の不正は。


よく、「クライアントから報酬をもらうっていう仕組みが問題なんだ。税金で監査して、警察みたいにもっと捜査権を監査法人に与えるべきなんだ」っていう意見がありますけど、これはちがうと私は思う。

やっぱり不正発見のために監査やるわけじゃないんだよね。第一義的には。
経営者みんなが容疑者みたいな扱いを受けるのはよくないよ。

100社あったら、1社だけが不正やるんだよ。だけど、その1社の不正が見抜けない。
これが現実だと思う。
100社みんなが不正やって、99社はなんとか監査で見抜いて、1社だけ見抜けなかったって話じゃない。


会計士の仕事は、経営者の資金調達のお手伝いをすること。
監査もそう。
信用を与えること。これが会計士の仕事だよ。
捜査することじゃないよ。



以上、新年のあいさつでした。
ありがとうございました。

posted by TT at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ツキを背負ったカモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする