2011年06月18日

洗脳支配と心理経済学と帝国主義論

苫米地さんの「洗脳支配」と、大前さんの「心理経済学」を、たまたま同時に読みました。
偶然にも、「日本人の個人金融資産は1500兆円」というネタを扱っておりました。
(洗脳支配、というタイトルだけど、経済とかマネーの話です)

大前先生
日本人の金融資産は貯金・預金=ゆうちょ・銀行は日本国債なんぞを購入=日本はゼロ金利だから預貯金じゃ資産は増えない=政府は金利を上げろ=そしたらみんなカネを使うようになる=要は心の問題だ=日本人がカネを使わないのは将来に不安を抱えているからだ=日本人は死ぬときに一番財産持ってる。3500万円の預金を残して死ぬのが平均的日本人。こんなの外国じゃあり得ない=日本人はライフプランを持つべきだ。ライフプランがないから将来に対する不安しかない

苫米地先生
日本人の金融資産は貯金・預金=ゆうちょ・銀行は日本国債を購入=日本政府は米国債を購入(つまり日本人労働者はアメリカのために働いている)=米金融機関は世界中からマネーを集め、さらにデリバティブ等を利用して100倍、1000倍の数字にする=そのカネ(現金じゃなく、数字だけ)で日本の不動産を買う



どっちの言うことが合ってるのか、というと両方合ってると思う。
オーマエ先生が言ってるのは、理想論というか合理的というか常識論というか、そういう感じ。
トマベッチーが言ってるのは、現実。

オーマエ先生がいろいろなデータを紹介して、日本の現実を突きつける。それを経済面から説明する。
トマベッチーは、その現実がどのようにして生まれたのか、心理面から説明する。

オーマエ先生も「心理経済学」というように、心理面に大きな問題があるのだ、という。将来に対する不安が原因なのだ、と。
トマベッチーは、その不安は資本家階級によって植えつけられたものなのだ、と答える。(ちなみに「資本家階級」というのは年収1億とかそういうレベルの人たちじゃないです。六本木ヒルズの高級取りなんかじゃないです。徳川家とかです。そしてロスチャイルド家です。何をしているのか分からないけど、豪邸に住んでる人たち)


オーマエ先生の言うようにすれば、計算上は日本の景気は良くなるかもしれない。みんなの幸福度も高まるかもしれない。
だけどベッチーに言わせれば、政府はそのようには行動しないだろう、と。分かっているのか分かっていないのか知らないが、とにかく政府が国民のために働いたことなどかつて一度もない、と。貧民から巻き上げて貴族がうまい汁を吸うようになっているのだ、と。そのジャパニーズ貴族さえ、ロンドン貴族の使いっぱしりにすぎない、と。で、そういう現実の中で、我々はどのように生きていけばいいのか。もっと積極的にいえば、どうしたらこんな差別社会をぶっ壊すことができるのか。

日本人にはライフプランがない。「イザという時のために」お金をため込む。でも、どんな時が「イザという時」なのか決めてない。わかってない。だから使わないまま死んでいく。
これは、そのように行動するようじんわりと洗脳されているからだ。。。おそらく郵便貯金が誕生した時からの洗脳だろう、とトマベッチーは仮説を立てている。それまでの日本人は預金なんてしない国民だった。

個人金融資産1500兆円もあるから、これを10%でも使えば150兆円だ。GDPなんか一気に増えるぜ、という考え方は計算上は成り立つ。しかし、ベッチーの言うように、1500兆円の現金なんか存在しないはずだ。みんながお金を引き出しに行ったら、それが露呈するはず。


ここでレーニンの「帝国主義論」もご紹介しておこう。
タイトルがかっこいいよ。『資本主義の最高段階としての帝国主義』だからね。タイトルだけで中身がわかる。これを発表したのが1917年とかそこらへんだと思うけど、そのときはすでに危険を感じていたわけですね。ネイサン・ロスチャイルドが活躍していたのは1800年前後だから、「帝国主義論」の100年前。そこから1世紀かけてイギリス、フランス、ドイツ(それぞれロスチャイルド一族です)が経済で圧倒的な強さを持つようになった。そしてアメリカと日本も台頭してきた。ロシアは大国だったけど危機感あった。
それから100年経って21世紀になった。レーニンの言うとおりになったよ。ゴールドマンサックスが米政府を動かすようになった。そしてアメリカが動くと、ほとんど世界中が右にならえ!って感じで動く。そのゴールドマンサックスの裏にいるのが***なのだから、やはり帝国が完成しつつある。

で、ここからがちょっと面白い視点。
たいてい、ロスチャイルドとかを悪く言うことが多いよね。平民から絞り取って生きている、と。
だけど帝国主義論者というのは、「帝国主義にした方が幸せになれる」と考えているわけです。これは織田信長とかが「この戦乱の世を終わらせるには、日本統一しかない」と考えて戦争して領土拡大していたのと同じ。
世界から戦争や飢餓とかをなくすためには世界統一しかない。そして世界政府を創設し、「我々(最高資本家=ロスチャイルド系列)」が世界を管理するのだ、と考えるわけです。

資本主義も最終的には帝国主義になり、社会主義だって似たようなもんだ。どちらも世界を管理する管理者がいることを前提としている。
ちなみに資本主義が帝国主義になる流れは、
多数の小規模事業者による自由競争=成長=優勝劣敗=少数の強い企業の誕生=大企業と中小企業というヒエラルキー=大企業が白と言えば、みんな白と言わざるを得ない状況=大企業どうしは自らのポジションを守るために徒党を組む(カルテル)=ますます大企業が強くなる=大企業は自分のために行動する=で、その大企業を支配するのが資本家=企業は資本家のもの=したがって資本家の意向で、世の中が動くことになる


で、この資本主義地獄ループから抜け出すためにはどうしたらいいのか。
煩悩をコントロールしたらいいんです。分かりやすいのは「消費」。消費を管理できるようになればいい。衝動買いだとかそういうのですね。ブランド志向もやめましょう。機能だけを求めたらお金なんかそんなに必要ない。
となると、「消費活動自粛したら、経済もっと悪くなるぜ」というのは資本家の論理だということがわかりますよね。だいたい経済が良かろうが悪かろうが、一般市民にはほとんど関係ないんだから。景気が良い方が得をするのは資本家なんです。配当が入ってくるし、税金が入ってくるからね。
なんだけど、経済が弱くなると、「資本主義」の国に支配される可能性が高くなるわけです。
で、なぜ支配されちゃうかというと、人間の「消費煩悩」に訴えかけてくるからなんですよね。

資本家「お金持ちになったら、もっとうまいもん食えて、でかい家に住めて、いい女と***」
人間「・・・ごくり。ほ、ほんとに? いやいや、しかし・・・。でも・・・」

(上場したら大金持ちになれますよ。とささやかれて上場しちゃった創業者。管理されまくりで自由なんてなくなった。自分の好きなことをやっていたはずなのに、いまじゃ資本主のために働かされている・・・こういうパターンですね。。。そういや、この前のプロ向け市場東京AIMはどうしたかな?)メモ:【プロ向け市場東京AIM】結局は金融ゲームの臭いがする件

つまり、人間は弱い生き物である、と。
「人間は弱い」を前提にした場合は、経済大国の方がまだマシな暮らしができる、というわけ。少しだけでも搾取する側に回った方が得だろ。。。(と、いいながら実は高給取りの方がたくさん税金年金保険料を絞り取られてるという現実もある)

トマベッチー「消費煩悩を克服することが、搾取スパイラルから抜け出す方法なのだ」
オーマエ先生「人間は弱い。それなら、まだマシな方を選んだほうがいいじゃないか」

まとめると、こんな感じ?
ふたりに共通するのは、人生は一度きり。だれかに振り回されたり利用されたりなんて、まっぴらごめんだ。自分で考えて、自分の人生を生きていこうぜ。ということかな。

ベースはトマベッチー理論にした方が、ストレスフリーな人生を送れると思う。そのベースの上で、オーマエ理論を利用していけば、ハッピー人生を送れると思っている昨今です。
金儲け第一主義をベースにしたうえでオーマエ理論を使うと、一生カネの悩みから解放されないと思う。
世界中がベッチー理論になればとてもいいんだけど、そうじゃないのが現実だから、折衷案が今のところベスト(ベター?)かと思って生きております。


洗脳支配ー日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて [単行本(ソフトカバー)] / 苫米地 英人 (著); ビジネス社 (刊) 大前流心理経済学 貯めるな使え! 帝国主義論 (光文社古典新訳文庫) [文庫] / レーニン (著); 角田 安正 (翻訳); 光文社 (刊)


posted by TT at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 文芸映画とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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