2011年06月28日

メモ:インネクストの粉飾決算の件

アンビシャスに上場していたインネクストという会社が粉飾していたそうです。
ほんとは4億円くらいの売上なのに、それを14億円とか言っていたそうです。

で、有価証券報告書を見てみると・・・。
1ページ目でわかっちゃいますね。(実際は1ページ目じゃないけど)
「企業の概況」という決算推移が載ってるページを見ればすぐに(あやしい)と気付きます。

会計利益は、5期間中、4期間黒字。
だけど営業キャッシュフローは5年連続赤字。


こりゃちょっとおかしいぜ。

で、こういうときはキャッシュフロー計算書を見るといいです。
税引前利益は黒字だけど、営業キャッシュフローが赤字になっている。どの項目で大きくマイナスになっているかと言うと「売掛金残高の増加」です。このせいで赤字になっている。

で、売掛金と売上の関係を見てみる。
回転期間分析とかそういうのですね。

明らかにおかしいです。
売掛金残高が8億円以上あるんですね。平成22年6月末。
で、売上が14億円くらい。
おかしいでしょ。
いくらなんだって。

ちなみに、前期は同水準の売上に対して、売掛金残高は5億ちょい。

ぜんぜん回収できてないじゃない、と。

さらに「販売実績」が書いてあるページを探しますとですね、前期と当期で、主要販売先がガラリと変わっちゃってるんですね。これも気になる情報だ。

ちなみに、中小型液晶向け製造・検査装置メーカーだそうです。


というわけで。
・黒字といいながら営業キャッシュフローが毎年マイナス。
・売上高が毎期増加しているとはいいながら、それに対する売掛金残高の残り方が異常。滞留しまくり。
・販売先が毎期のように変わっている。


こういうところは、「やってる」可能性が高いですから。投資家の皆さん、ぜひ自分のポートフォリオをチェックしてみてください。

監査人のみなさん。こんなの気付かないほうがおかしいぜ。
ちゃんと売掛金の残高確認やったの? わるいけど。

これ読んで、しっかり勉強してくださいよ。と言っても、アマゾンじゃ品切れですわ。
勘定科目別 異常点監査の実務 [単行本] / 野々川 幸雄 (著); 中央経済社 (刊)




posted by TT at 02:55| Comment(0) | TrackBack(0) | Ctrl+X [象の足かせ] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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