ほんとは4億円くらいの売上なのに、それを14億円とか言っていたそうです。
で、有価証券報告書を見てみると・・・。
1ページ目でわかっちゃいますね。(実際は1ページ目じゃないけど)
「企業の概況」という決算推移が載ってるページを見ればすぐに(あやしい)と気付きます。
会計利益は、5期間中、4期間黒字。
だけど営業キャッシュフローは5年連続赤字。
こりゃちょっとおかしいぜ。
で、こういうときはキャッシュフロー計算書を見るといいです。
税引前利益は黒字だけど、営業キャッシュフローが赤字になっている。どの項目で大きくマイナスになっているかと言うと「売掛金残高の増加」です。このせいで赤字になっている。
で、売掛金と売上の関係を見てみる。
回転期間分析とかそういうのですね。
明らかにおかしいです。
売掛金残高が8億円以上あるんですね。平成22年6月末。
で、売上が14億円くらい。
おかしいでしょ。
いくらなんだって。
ちなみに、前期は同水準の売上に対して、売掛金残高は5億ちょい。
ぜんぜん回収できてないじゃない、と。
さらに「販売実績」が書いてあるページを探しますとですね、前期と当期で、主要販売先がガラリと変わっちゃってるんですね。これも気になる情報だ。
ちなみに、中小型液晶向け製造・検査装置メーカーだそうです。
というわけで。
・黒字といいながら営業キャッシュフローが毎年マイナス。
・売上高が毎期増加しているとはいいながら、それに対する売掛金残高の残り方が異常。滞留しまくり。
・販売先が毎期のように変わっている。
こういうところは、「やってる」可能性が高いですから。投資家の皆さん、ぜひ自分のポートフォリオをチェックしてみてください。
監査人のみなさん。こんなの気付かないほうがおかしいぜ。
ちゃんと売掛金の残高確認やったの? わるいけど。
これ読んで、しっかり勉強してくださいよ。と言っても、アマゾンじゃ品切れですわ。
勘定科目別 異常点監査の実務 [単行本] / 野々川 幸雄 (著); 中央経済社 (刊)