◆オリンパス事件のおおまかな内容
オリンパス事件(オリンパスじけん)とは、オリンパス株式会社がバブル期の財テク失敗で発生した巨額の損失を「飛ばし」という手法で、その損失を10年以上の長期にわたって隠し続けた末に、これをM&Aをからめた不正な粉飾会計で処理した事件。
2011年、雑誌FACTAのスクープとイギリス人社長の早期解任をきっかけに事件が明るみに出て、大きな注目を集め株価も急落、会長らは辞任、オリンパスは上場廃止の瀬戸際に立つことになった。
(上場廃止とはならなかった。会長らは逮捕された)
◆経緯
2011年、月間FACTA8月号で、不透明なM&Aについて報道される。
そのオンライン版の記事はこちら→「オリンパス 「無謀M&A」巨額損失の怪」
FACTA10月号でも続報。
当時のマイケル・ウッドフォード社長が会計事務所PwCのロンドン事務所に調査を依頼。
10月14日、ウッドフォード社長は、PwCのレポートなどをもとに、当時の菊川会長らに説明を求めるが、反対に解任されてしまう。
社長解任、さらにウッドフォード氏による告発により、事態は事件化し、オリンパスの株価は急落。
11月1日、第三者委員会が設置され、調査が開始される。
11月10日、菊川剛、森久志、山田秀雄は第三者委員会による聴取に対し、損失隠しに関与していたことを認めた。
2012年2月16日、東京地検特捜部と警視庁捜査2課が強制捜査に着手。特捜部は、オリンパスの菊川前社長(元会長)、森久志前副社長、前常勤監査役、証券会社の元取締役の4名を、警視庁捜査2課が、投資会社の社長、取締役、元取締役の3名を、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載罪)でそれぞれ逮捕した。
2013年7月、東京地裁は菊川前社長に懲役3年執行猶予5年(求刑・懲役5年)、森久志前副社長に懲役3年執行猶予5年(求刑・懲役4年6月)、前常勤監査役に懲役2年6月執行猶予4年(求刑・懲役4年)、法人であるオリンパスに罰金7億円(求刑・罰金10億円)の判決を言い渡した。
◆以下、当ブログの記事まとめ
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2011.10.21 オリンパスの有価証券報告書を見て感じること
2011.10.23 オリンパス。減損の割引率が高い理由
2011.11.20 内部統制監査って・・・(オリンパス事件に思う)
2011.12.7 オリンパスの損失隠しの方法解説
2011.12.13 オリンパスの件で、新日本が監査検証委員会を設置
2012.3.31 オリンパス事件。やっぱり残確が大事なんだね、の件と監査検証委員会報告書についてコメント
2013.8.24 (書籍)解任。オリンパスのウッドフォードさんの本。