2017年08月04日

『三方一両損』はまずい判決。江戸っ子のプライドが傷つけられた

三方一両損。というお話がありますね。

大岡越前の話です。


あるとき左官が財布を拾った。中に三両入っていた。
落とし主は大工だった。

左官「大工さんよ、お前のだよ、かえすよ

大工「いや、一度落としたものは受けとれねえ、お前さんが取っといてくれ

左官「なに言ってやんでえ、こちとら拾い物をもらうわけにはいかねえや

大工「しょうがねえや。大岡様に裁いてもらおう

越前「よし、わしが一両出して、四両としよう。
そしてお主たちに二両ずつ渡す
左官よ、おまえは拾ったものを受け取っておれば三両のところ二両だから一両の損、
大工よ、もともとはお前の三両だったものを二両になって一両の損。
わしも、一両の損。
これで三方一両損。文句はあるまい。はっはっは

二人「さすが大岡さま。ははぁー!


、、、

と、まあ、こんなところなんですが。


もしこれが三百両だったらどうなんだ、越前は百両出すのか、と。

出さないよね。

少額だから自腹を切った。規範なき判決ですよ。

こんなのが判例になったら、次からは大変ですよ。。。


という理由からもおかしいんだけど、ま、それはいいんだけど、、どうせお話だからね、、


いま『権利のための闘争』を読んでるところだから、権利感覚を話題にしたい。

つまり、左官も大工も、「一両もいらない」と言ったのに、二両も受け取って帰るわけだ。
これが問題点だ。

二人とも大事にしたのはお金じゃない。

拾ったものはすべて返す。

落としたものは捨てたもの。

こういうポリシー、江戸っ子としてのプライドを大事にしているわけだ。

それを踏みにじる判決だった。

。。。

いや、まあ、深読みはできる。

二人とも、口では「俺のプライドが許さない」とか言いながら、実のところお金の方が大事で、

(せっかく拾ったんだから二両くらい欲しいな)

(もともと俺のだし、二両返ってきたらいいな)

と、思ってた。二人とも相手の考えを読めた。

で、越前も二人の考えを読めた。

そうしたところでの、三方一両損なのかもしれない。

つまりこの話は、

江戸っ子なんて(男なんて)、口ではいつもプライドが大事とか言ってるけど、ほんとはお金が好きだよねー、実利主義だよねー、

という話なのかも。


夏にぴったりの、とぼけた記事でした。
posted by TT at 10:49| Comment(0) | ツキを背負ったカモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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