なぜ貯めるのか?
貯めると安定が生まれるから?
人間が農業をするようになり、食糧を貯めるようになった。
農業によって、人間の暮らしはだいぶ変わったわけだけど、とくに食糧の備蓄は人間社会を大きく変えた。
分業、組織化。
人口増大。
哲学、科学。
武力、権力。
征服、支配。
次に人間はお金を産み出した。
食糧は傷むのでそれほど長期に保存できないが、貨幣はその価値の保存期間がより長い。
お金を貯めた者が力を持った。
支配、格差。
次に人間は何を貯めるだろう。
いいねの数?
フォロワー?
チャンネル登録者数?
貯めることで、他者への影響力を持つ。
政治や経済を動かす力を持つかもしれない。
格差、階級。
反乱、革命。
貯められないなら、必要以上に取らない。
食糧でも貨幣でもフォロワーでも。
貯められるから、休まず働き続ける。
野菜や家畜は増やしやすい種類に特化された。
他にも食べられる植物や動物はいるけれど。
利益率の高い職業に人は移っていく。
仕事はいくらでもあるけれど。
ユーザー数の多いSNSに人は移っていく。
貯めるためには、
効率よく増やし、リスクヘッジをする。
貯めて貯めて、人は安定を手に入れただろうか?
安心を手に入れただろうか?
少なくとも楽にはなっただろうか?
「無いよりあった方がいい」
その程度だとすると、ずれてるってわけだ。
貯めるものが違うか、貯めることが違うのか?
もちろん、いまさら採集狩猟生活には戻れない。人口が多すぎる。
安心とか安定とかいう見たこともない理想を求め、人は働く。
地獄谷の猿は野生だったけれど、安定的にエサをもらえるようになって、自然界では見られない大規模集団となった。
群のリーダーの権力は強大になった。一方、常にその地位は狙われ安心はできない。
結論も主張もないボヤキ。